2013年 第8回大会

講評 「審査委員泣かせ 4回の激戦審査」

長島 美保子 審査副委員長、公益社団法人全国学校栄養士協議会会長

「大会の回数を重ねるごとに内容が進化していると、心から実感しております。
審査の過程で大切にしたことは、現実とかけ離れたコンクールメニューではなく、実際の給食に提供されるものだということです。
食育の視点を盛り込んだ内容であることも大切です。
その結果、皆様の献立が選ばれたわけです。
そして、子どもにメッセージを伝えたいという、みなさんの熱い思いが込められていることと思います。
今回はパンメニューもあり、多彩で偏りのない献立だったと思います。

みなさんは、合わせて4回の激戦審査を進んでこられました。
これは審査委員泣かせの審査でした。大変悩み、辛い思いをして何とか順位をつけてきたわけです。

本日は、いつもとは勝手の違う場所での調理でした。
練習を重ねてしっかりやってきたことが、自信になり、こういう場でも実力を発揮できるのだと思います。
しかし、やはり緊張しているのでしょうか、食材・調理器具を下の方(60cm以下)においてしまったことなどが目につきました。
終了前の片付けの詰めの甘さも見受けられました。
今後こういう点に気をつけていただければと思います。

子どもたち、地域の方々、同僚の方々がみなさんのお帰りを待っています。
きっと子どもたちが自分の学校給食を自慢にすることと思います。
今後、この感動を地域の方たちに伝え、その地域のレベルアップのためにご協力いただければと思います。
本日は本当におめでとうございました」

閉会挨拶 「未来に向けて進化する学校給食と本大会」

馬場錬成 NPO法人21世紀構想研究会理事長

「今年の優勝校は、誰も予想しなかった東京代表。誰も予想しなかった男性の学校栄養職員でした。
今までは女性の天下でしたが、第8回にしてついに男性が優勝旗をさらっていきました。
昨年は埼玉県代表の男性の栄養教諭が決勝大会出場を実現しましたが、今年は2人の男性の出場です。

今年から部門賞と協賛企業賞を新設いたしました。
これは、ご協賛、ご後援、ご支援していただいている企業・団体のみなまのおかげです。心より感謝をしたいと思います。

先日ユネスコの無形文化遺産に和食が登録されることとなりました。
この時、文部科学大臣が会見で『和食の原点には学校給食も貢献している』と述べていました。
日本のような優れた給食のシステムは他にありません。
全国に約1万3000人の栄養教諭・学校栄養職員がおります。
1億人規模の人口を抱えている国では、このような国は他に存在しません。

東京オリンピックの選手村でも給食メニューを出したら…というアイデアを協賛企業の株式会社藤江の中野麗子会長様よりいただきました。
すばらしいアイデアなので、実現を働きかけていきたいと思います。

また、文部科学省のスーパー食育スクールという新しい事業が来年度から始まる予定です。
全国に拠点の学校・施設を設け、調査分析し、成果を出して食育推進に結びつけるというものです。
本日の決勝大会出場校から、この拠点に選ばれる学校が出てくるのではないかと思っております。
そして、学校給食はまた新たな局面を迎えることになると期待しています。

本日の決勝大会の模様は、ソーシャルネットワークや動画配信などで、リアルタイムに中継されました。
動画では文部科学省の濱田有希・食育調査官が解説をしてくださいました。
緊張と喜びをリアルタイムに共有することができ、本大会はますます注目されるようになって参りました。
それもみなさんのご支援があって初めて実現できることです。重ねてお礼申し上げます。

いつも温かい目で報道してくださるメディアのみなさま、声援をお寄せくださったみなさま、本当にありがとうございました」

熱闘を終えた12施設の選手24人と実行委員、審査委員