2014年 第9回大会

鳥取県 三朝町調理センター

栄養教諭 山下 恵さん、
調理員 小椋陽子さん

「鳥取県の中央にある三朝町は、9割が山という自然に恵まれた土地です。
三朝町は『地域の子どもは地域で育てる』という教育理念が根付いており、学校・家庭・地域が一体となって子育てする土壌です。
その最高な街の環境で、私達は学校給食や食育を推進することができています。

生産者の皆さんは、安全で安心、おいしい食材を提供したいということで、低農薬で生産してくれています。
そのお陰で、鳥取県で地場産物活用率ナンバー1を、5年連続達成しています。

最高の食材を使って、最高の調理員さんが、最高の給食を作ります。
何より、最高なのが子ども達です。子ども達がものすごく応援してくれています。(応援団の動画を流す)

そして、地域のたくさんの方に、応援していただいています。
みんなに、支えられている、最高のチームワークに感謝を込めてがんばりたいと思います」

広島県 呉市立白岳小学校

栄養教諭 檜垣直美さん、
調理員 原幸惠さん

「給食人員は953名です。給食は栄養教諭の私の元、民間委託の職員9名とで作っています。
いつもは統一献立で自由にできないのですが、応募した献立はオリジナルです。
オリジナルは、年に2回しか作れないのですが、この時とばかりに、特産物や土場産物をたくさん取り入れて、みんなに食べてもらいました。

この献立は、牛乳以外は、食物アレルギーの子どもでも食べられるように配慮したものとなっています。
地場産物をたくさん使い、児童、先生、保護者の方にそれをしっかり知らせてました。

広町のソウルフード、がんすは、瀬戸内海の魚のすり身に、玉ねぎ、七味を加えたフライです。
生産者の方にお願いして、七味を控えて、揚げていない状態で収めてもらいました。
それを給食室で、1つ1つパン粉をつけて揚げ、パンに挟んでバーガーにしました。

広町の伝統野菜『広甘藍』、にんじん・じゃがいもなどの土場産物、豆乳、呉市産の藻塩を使って、体に優しいスープを作りました。
『広甘藍』は5年生が作ったものです。

子ども達、地域、家庭、行政を連携させて食育を進めています」

宮崎県 延岡市立上南方小学校

学校栄養職員 中川みゆきさん、
調理員 鶴羽京子さん

「延岡市は、山の幸、川・海の幸に恵まれ、学校の近くには五ヶ瀬川が流れ、山の麓では郷土料理「ばんば漬」が作られています。
他にも、新玉ねぎ、めひかりなどが有名で給食でもよく活用しています。

さて、ここでクイズです。7月8日は何の日でしょう?
答えは、チキン南蛮の日です。
延岡市はキチン南蛮の発祥の地で、給食でも人気献立です。

宮崎県内の特産品では、マンゴー、日向夏、ピーマンなども有名です。
二学期の故郷学習では、宮崎の野菜、果物、魚を実際に手に取り、生産者とのふれあいで貴重な体験をしました。

139年の歴史にピリオドを打ち、新たなるスタートをする上南方小学校。(来年度から他校と統合される)
私達ができることは、故郷を知り、感謝していただくこと、そして伝えていくこと。それが故郷を大切にすることに繋がっていくと考えています。

今回の給食も故郷を大切にしてほしいという願いを込めて作りました。
お世話になった上南方小学校に感謝をし、学校のシンボルの大樹のように、大きく、強く、たくましく、優しい心を持ち、故郷を支える子ども達になってもらいたいです。

宮崎延岡が大好きです」

沖縄県 竹富町立波照間小中学校

学校栄養職員 首藤由佳さん、
調理員 大嶺多枝美さん

「今流れている曲は波照間島の祝宴のオープニングに歌われる、波照間島節という格式高い曲です。
今回の献立は、普段の日の献立ではありません。
本校の創立120 周年を記念して立てた、沖縄のハレの日の行事食であり、伝統食です。
現在、沖縄料理は全国に広がり、ゴーヤチャンプルは他県の給食に出されるまでになりました。
しかし、沖縄にはまだまだ魅力ある料理がたくさんあります。

『クーブイリチィー』の『クーブ』は昆布のことで、『イリチィー』は炒めることです。切り昆布の炒め物で、沖縄のお祝い料理です。
中身汁は、ブタ肉を知り尽くした沖縄の究極の料理です。ブタの胃や腸などいわゆるモツが、この汁に用いられる中身です。

中身を丁寧にした下ごしらえし、こんにゃくやしいたけなどの野菜を入れ、豚骨とカツオで取った出汁で煮込んだ、あっさりしつつもコクのある汁物です。琉球時代から受け継がれてきた代表的な料理の1つです。
また、ハレの日の食材ということで、今回は『イラブチャー』という魚を使いました。南洋の鯛と呼ばれている高級魚で、この日にふさわしいと思い、特別に提供しました。

明日は、本校120周年を祝福し、長く伝えられてきた沖縄の伝統料理を今後も絶やさずに伝えていきたいという想いを込めて作ります」