2015年 第10回大会

講評

田中 延子 審査副委員長
淑徳大学看護栄養学部客員教授

「1次審査は、栄養バランスなどの点数制の書類審査です。
2次審査以降は、献立の内容がどのように工夫されているのか、主食主菜のバランスなどという視点で、各審査員が選出しています。
決勝には、この点において極めて優れた方が残ったと考えています。
本日の審査は最終審査ですので、見た目と味の勝負だと思っております。
年々レベルアップしており、『今年は本当においしかった』という審査員の声が聞かれました。

では、より良い物にするにはどうしたら良いのかをお話ししたいと思います。
塩分の摂取が抑えられているため、かなり薄味になっているものがあります。
主菜にはしっかり味がついているのに、スープを飲んでみると味がついていないという給食もありました。
今後の課題として受け止めていただければと思います。

また、同じ食材をいろいろな献立に入れている給食もありました。
食材の使い方の工夫を考えていただけると良いと思います。

そのような中で優勝、準優勝の学校・施設は、味も良く、バランスも良く、見た目も良く、大変優れたメニューであったと思います。
これで終わりとせず、より良いメニューを作り、また来年応募されることを期待しています。

牛乳・乳製品部門賞は設立されてからまだ日が浅いので、今後は、カルシウム摂取の観点から工夫された牛乳・乳製品を使ったメニューが応募されることを願っています。

今後とも益々レベルアップしていただくことを期待して講評とさせていだたきます。
お疲れ様でした。おめでとうございました」

閉会挨拶

馬場 錬成
特定非営利活動法人21世紀構想研究会理事長

「今年は第10回という節目の回でした。
様々なドラマを生み、終わりを告げる所まで来ました。
この決勝大会は、12校・施設の選手が集まって腕を競った結果、群馬県が全国制覇の栄誉に輝きました。
献立を見ますと、『こめっこぱん』というパンの給食です。
パンで優勝した校・施設は初めてです。
前年は麺を提供した施設が優勝しました。
来年は、ご飯献立も、巻き返していただきたいと思います。

私は、味と見た目の点数しか付けられませんが、今年の献立は、たいへん良い味付けの給食でした。
健闘空しく準優勝となった秋田県ですが、昨年は優勝しています。
2年連続で優勝、準優勝という栄誉を勝ち取ったわけです。
審査の現場を見ていますと、本当に紙一重だけの差です。
惜しくも賞を逸した学校・施設も、ぜひお帰りになったら、『結果は紙一重だった。良い調理をして喜ばれた』と報告をしてください。
この大会は来年も続きますので、来年もまた決勝大会へ駒を進めていただきたいと思います。

日本の学校給食は世界に冠たる制度で、このような制度を持っている国は他にありません。
韓国の制度がやや似ていて、台湾でもこの大会と同じようなことを行いたいという話が私たちに来ています。
この輪が国際的に広がり、諸外国でも同じ思想、指導方法で、子どもたちの健康と成長に役立つような食文化が広がってくれればと考えます。

文部科学省のスーパー食育スクール選定校は、2年にわたって述べ70校以上の指定をしました。
学校給食を中心とした食育が、体力・学力とどのような関係があるのか、学術的にも検証していきます。
給食の現場の進化に合わせるように、全国学校給食甲子園も、年々レベルが高まっていると実感しています。
選手の皆さん、来年も優勝旗を目指して挑戦していただきたいと思います。

文部科学省、農林水産省を初め多くの団体から後援をいだたき、多くの企業の方々から協賛をいただき、この大会は成立しています。
また、生産者、保護者、学校給食関係者、自治体から様々な支援があります。
終始温かな報道をしていただいているメディアのみなさんの協力があって初めて成り立っています。
この場を借りて心より感謝の気持ちを伝えたいと思います」

表彰式

熱闘を終えた12施設の選手24人と実行委員、審査委員