若手栄養士の給食奮戦記(2)

学校給食の充実と食育の推進に取り組んでいる若手栄養士の現場からの報告です。月刊誌「学校給食」のご高配による転載です。毎回、充実した内容になります、ご期待ください。

卒業お祝い給食に取り組む

平尾 綾(東京都大田区立入新井第二小学校・学校栄養職員)

月刊「学校給食」2016年6年6月号に掲載

 

平尾先生顔写真加工_new
 本校では毎年,6年生の卒業をお祝いして,給食や食育に関する特別な取り組みを行っています。今回はその中の,3つの取り組みを紹介します。

 ①バイキング給食

 卒業の前に6年生を対象に行っています。実施する日の午前中に,各クラス1時間ずつ,『栄養バランスを考えて,バイキング給食を楽しもう』という授業を行います。この授業は給食を例に,何が主食・主菜・副菜にあたるのか,そしてどのような働きがあるのかを説明します。

 また,バイキング給食の時のマナーについても学ぶ内容になっています。バイキング給食を行うだけでは,「楽しくておいしいから,好きなものを好きなだけ食べる」で終わってしまいます。しかし,授業で学ぶことにより,栄養バランスを考えながら選ぶことができ,今後の実践につながると思い,毎年バイキング給食と授業をセットに行っています。

 昨年度のメニューは,おにぎりとパンを数種類ずつ,魚の照り焼き,鶏肉のから揚げ,フライドポテト,卵焼き,フレンチサラダ,フルーツの盛り合わせ,牛乳です。毎年,前年度までの反省をもとに,少しずつ内容を変更しています。

 今までで一番苦労したのは,インフルエンザの流行により,欠席児童が多かった時の量の調整です。少し減らして作りましたが,当日の朝まで出席人数がわからず,量の調整は一苦労でした。出席した子どもたちにとっては量が少し多かったかもしれませんが,みんな残さず食べてくれました。とてもうれしかったです。

 バイキング給食は日々の給食の準備に比べ,綿密な準備,調理員の方々と担任の先生との打ち合わせが必要なので,とても大変です。しかし,子どもたちも先生方も楽しみにしてくれていて,みんなの笑顔を見ると,また来年も頑張ろうという気持ちになります。「今年度はどんな料理にしようかな?」と,今から考えています。

①

6年1組【ビスキュイパン,牛乳,ワンタンスープ,パリパリサラダ】ワンタンスープのワンタンは,一つひとつ丁寧に皮に詰めた手作り

 

②リクエスト給食

 学年末に「6年〇組のリクエスト給食」ということで,6年生各クラスのリクエストメニューを出す取り組みをしています。 

 ただ,好きな料理をバラバラと言われても,なかなかバランスの良い1食に仕上がりません。そのため,まずこちらでいくつかの定食を設定し,その中からクラスで1つの定食を選んでもらいます。

 例えば,A定食「カレーライス,海藻サラダ,果物」,B定食「焼き豚チャーハンor エビチャーハン,ちくわの磯辺揚げ,中華スープ,」,C定食「五目ご飯,焼き魚,ごまあえ or おひたし,豚汁」のように設定します。

 もし,C定食が選ばれたら,ごまあえとおひたしのどちらを選ぶか2段階で多数決をとります。毎年,ラーメンや,丸パンにクッキー生地をのせたビスキュイパンが人気です。

 6年生のリクエスト給食は,6年生はもちろんのこと,ほかの学年も「6年生が選んだものだから頑張って食べよう」という雰囲気になります。いつもの給食以上に残食がとても少なくなる日です。

 ②

6年2組【みそラーメン,牛乳,もやしときゅうりの中華風】ラーメンの具の焼き豚は,ブロック肉を朝から給食室で煮込んで作った

 

③お祝い冊子

 現在,全学年に食育の授業を行っていますが,まだまだたくさん伝えたいことがあります。中学生,高校生と大きくなっていくと,自分で食べる物を選択していく機会が多くなります。また,運動部に入って活動量が多くなると,普段より食べる量が多くなり,水分補給も重要になってきます。

 そのようなときに参考になるように,朝ごはんの大切さ,水分補給の仕方,バランス良く食べるポイントなどをまとめた冊子を,卒業前に1人1冊ずつ配っています。この冊子は市販で売っているものではなく,いろいろな資料を参考にして作った私のオリジナルです。

 また,本校で人気のメニューのレシピを載せたり,エネルギー量・たんぱく質量・脂質量・食塩量など,食事摂取基準を参考にした資料も載せています。約20ページの冊子を自分1人で約100人分印刷して,一つひとつとじるのはとても時間がかかって大変な作業ですが,今後も続けていきたいと思います。

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6年3組【ナン,キーマカレー,牛乳,海藻サラダ,デコポン】

 このような取り組みが,卒業前の楽しい思い出になるように,また今後の生活に活かせるように,食べることの楽しさ・大切さを伝えていければいいなと思います。

 

「さぬきっ子フードアクションプラン」の推進に取り組む

DSC_0626香川県さぬき市志度学校給食共同調理場・栄養教諭 下岡純子先生からの報告

 10年間勤務した高松市国分寺町を離れ、28年度4月よりさぬき市の志度学校給食共同調理場で 勤務しています。さぬき市でも児童生徒数の減少に伴う学校の統廃合が進み、単独調理場を吸収する形で現在は市内の2共同調理場において給食調理を行っています。

さぬき市志度学校給食共同調理場では幼稚園2園・小学校2校・中学校1校の合わせて約1510食、もう一方の大川学校給食共同調理場では幼稚園6園・小学校6校・中学校2校の合わせて約2710食の調理を行っており、志度に栄養教諭1名、産育休代替の学校栄養職員1名、大川には栄養教諭2名が配置され、管轄のすべての幼稚園・学校に対して食に関する指導を実施しています。

 共同調理場化に伴い、単独校に比較してきめ細やかな食に関する指導が難しくなっていますが、調理場ごとに食育推進連絡会及び献立委員会を定期的に実施し、各園・学校と連携しながら計画的な指導を行うようにしています。

 さぬき市では、地域の実態や各学年での取組、各園・学校から出た意見を踏まえて、毎年「さぬきっ子フードアクションプラン(別紙)」を作成し、発達段階に応じて段階的・継続的に食に関する指導を行うようにしています。また、給食試食会や家庭教育学級等でも、保護者向けの講話を行い、給食時間の実態等を踏まえて、家庭においても食育の実践をお願いしています。

写真は、志度調理場管内で今年度実施した食に関する指導の様子です。今後も学級担任等との連携を図りながら、学級の実態に応じた指導ができるよう、取り組んでいきたいと思っています。

 

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小学校2年生学級活動「やさいのひみつ」

毎日の給食には様々な野菜が出ていることを知らせ、野菜を食べる重要性について学級担任とのTTで指導しています。写真は野菜の働きについて紙芝居をしているところです。 

 

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小学校4年生学級活動「生活習慣病予防のために」

小児生活習慣病予防健診事業の血液検査の事前指導として、なぜこの時期に血液検査をする必要があるのか、毎日の生活の中でどのようなことに気を付ける必要があるかを学習しています。トマトジュースをサラサラ血液、ケチャップをドロドロ血液に見立てた実験を行い、それぞれの血液が流れている血管の様子について写真を使って説明しているところです。

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小学校5年生家庭科「なぜ食べるのか考えよう」

学級担任とのTTで、5大栄養素について指導しているところです。当日の給食も、教材として使用しています。

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小学校6年生家庭科「朝食の働きについて考えよう」

朝食の重要性について学習し、学級で多かった朝食内容をもとに、家庭科で学習している調理方法を活かした料理を付け加えながら、よりよい朝食内容について班で考えました。

 

 

 

キュレーションWebメディア「クックビズ総研」に決勝大会の詳報がアップされました

 飲食人材のプロによる”食”総合メディアのクックビズ総研が、第12回全国学校給食甲子園を取材して詳報をアップしました。

 とてもいい編集であり、是非、ご覧ください。

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「フード産業を人気業種に!」

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