原正美・志賀清悟「子どもの食物アレルギーを考える」(学校食事研究会)

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 学校給食で、アレルギー反応が原因で子どもが亡くなる事故があった。こんなに悲しい出来事はない。一体、アレルギーとは何だろうか。昔は食物のアレルギーなどは聞いたことがなかった。アトピーと同じように現代の疾病と言える。

 この本は、食物アレルギーを理解し、その対応策を科学的にわかりやすくまとめたものである。まず、アレルギー発症のメカニズムを解説し、なぜ食べ物で発症するか医学的な定義を簡潔に解説している。これを読むだけでも、読者はこの本を手に取った価値を見つけるのではないか。

 どこの学校給食の調理場に行っても、食物アレルギーを持っている子どもたちのリストが目立つように掲げられている。栄養教諭、学校栄養職員、調理員らが、日常的に調理する過程で食物アレルギーを持っている子の給食を間違いなく作るよう配慮していることが分かる。

 その対応策が食物アレルギーの代替レシピであり、この本でも写真入りで数多く紹介されている。アレルギーを持っている子でも、楽しく、美味しく食べられるように工夫したレシピを見ていると、アレルギーを持っていても安全、安心して学校給食が食べられることが伝わってくる。

 「卵アレルギーを制する者はすべてのアレルゲンを制す」という項目を読んでみると、なるほどアレルギー対応策がきめ細かく解説されており、多くの現場の先生や調理員の参考になるだろう。 食物アレルギーという「現代の疾患」を丁寧に説明し、対応策を示した優れた本である。